パンの歴史

カトリーヌ・ド・メディシス

5~6世紀にかけてのローマ帝国衰退後、

パンの技法も失われたかにみえましたが、

修道院や教会において伝えられ、保存されていたそうです。

 

7~10世紀頃は、ヨーロッパ各地に都市が成立し、

人口もどんどん増えていき、

生活必需品であるパンの需要も増え、

パン屋の数も増えていったとのこと。

 

イタリアが復興したのは、

文芸の部分だけでなく食文化においても

深く研究されたことにもよるそうです。

 

イタリアの食文化をフランスで開花させたといわれる、

カトリーヌ・ド・メディシスは、

イタリアの製パン職人や料理人を伴って

フランス王アンリ2世に嫁ぎました♡

 

そしてパンだけでなく、

イタリアで開発されていたアイスクリーム(ジェラート)や

フォークなどのカトラリー類を持ち込んで

フランスへ広めたそうです♪

 

下の写真は、カトリーヌ・ド・メディシスがアンリ2世死後、

住んでいたシュノンソー城と

カトリーヌ・ド・メディシスの肖像画です。


カトリーヌ・ド・メディシス

シュノンソー城


キリスト教との結びつき

パンと葡萄酒は、

キリスト教の布教に

なくてはならないものだそうです。

 

キリスト教では、

パンは、キリストの肉体であり、

葡萄酒は、キリストの血であると

認識されているとのこと。

 

イエスキリストの最後の晩餐の情景を描いた、

レオナルド・ダ・ビンチの

「最後の晩餐」において、

パンを裂き、パンを象徴的に

キリストと同一化させた行為が、

パン全体に聖なる意味を与えたと考えられています。

 

 

「パンを裂く」とは、

ひとつのパンをちぎって

多くの人に分けて一緒に食べることを指し、

兄弟の交わりを意味するそうです。

 

現代でも、キリスト教にとって

パンを食べ、

葡萄酒を飲むことは、

神に対して深い感謝を表すこと。

 

このようなことを知ると、

パンと葡萄酒をいただくにあたり、

感謝だけでなく、

はるか昔の、キリストの最後の晩餐を思い浮かべ、

より深い何かを味わうことができるような気がします。

 

(参考文献:日本パンコーディネート協会 パンの基礎コース教科書)

 

 

パン屋の誕生!

無発酵パンしか知らなかったギリシア人に

エジプト人が発酵パンの技術を教えたそうです。

 

紀元前5世紀(約2500年前)以降、ギリシアには、パン職人が存在!!

 

小麦のぬかや粟をぶどう汁とあわせて熟成させた酵母種と

ソーダを生地に加えて発酵しやすくす方法を発見したそうです。

 

古代ローマでは、

ギリシア人のパン職人から製パン法を教わり、

職業としてのパン職人が現れました♪

 

そして、紀元前1世紀頃(約2100年前)には、

約300軒のパン屋が存在し、

製パン業者による最初の組合が生まれました。

その後、トラヤヌス帝が治めた1世紀頃には、

厳格な組織になりました。

そしてその組合員は100名と決められていたとのこと。

 

想像もできない大昔から、

古代ヨーロッパの国々では、

パン職人がいて、パン屋が在り、

そして、製パン業者の組合なる組織まで存在していたことを知り、

改めて、今、

古代人への敬意の念が強くなっていくのを感じています。

 

パンの歴史は、

私たちが想像している以上に永く、深く、

そしてそのパンは、

古代の人々の発見の賜のひとつであるということを、

感謝しながら、

毎日、パンを楽しくこねこねして、美味しく味わいたい!

と思っています♪

 

(参考文献日本パンコーディネート協会 パンの基礎コース教科書)

発酵パンのはじまり

発酵パンの起源はいろいろな説があるそうですが、

古代エジプトで、

偶然、放置されていたパン生地に

空気中の野生酵母が着いたことで、発酵パンが誕生したとのこと!

 

そのエジプトへ、メソポタミア(今の中近東イラクのあたり)から

穀物の栽培が伝わりました。

紀元前5000年(約7000年前)頃、エンマー小麦(古代の麦)を栽培。

 

古代エジプトの人の考えでは、

パンは"生命(いのち)の食物”であり、

また死者にもパンを持たせるべき

と考えられていたためお供え物などにもされていたそうです。

遺跡からたくさん出土しているとのこと。

 

紀元前2000年頃(約4000年前)は、

パンとビールが基本の穀物食だったそうです。

当時のビール『hektヘクト』はすっぱいもので

お薬としても使われていたようです><

なんと私の大好きなビールとパンは、

想像もつかない大昔から飲まれ、食べられていたのです!!

 

古代の人もパンを主食として、ビールを飲まれていたという説を知ると、

パンとビールへの想いが、

いっそう強くなったような気がします♪

パンのはじまり

世界最古の農耕文化発祥の地は、

チグリス・ユーフラテス川近郊とのこと。

今の中近東イラクが位置しているあたりです。

 

紀元前8000年頃(約1万年前)、

この地域で野生小麦が栽培されていたそうです!!

 

そして、パンのはじまりは、紀元前4000年頃(約6000年前)。

はじめは、穀物の粒をそのまま煎ったり、

どろどろしたかゆ状にして食べられていたそうです。

 

その後、石でつぶした小麦に水を加え混ぜて、

薄くのばして焼いたせんべい状にして食べるなど、

食べ方も変化していきました。

 

そして、この焼いたせんべい状のものこそががパンのはじまり!

とのこと。

無発酵パン(ガレット)の誕生となったそうです。

 

パンの歴史について、いろいろな本を読んでいくと、

昔の方の

生きる術、

またパンに限らずいろいろなものを調理する術などの

発明についておどろくことばかりで、

古代人の方に対して尊敬の思いが募っていきます!

 

また、私の住んでいる鹿児島県には、

最も古い定住集落のひとつとされている、

上野原遺跡があります。

お休みの日に訪れてみたいな~と

パンがはじまった時代に思いをはせています。

 

「パン」という言葉の由来

パンは、日本へ室町時代にポルトガルより伝わりました。

1543年、ポルトガル船が種子島に漂着した際、鉄砲と一緒にパンが伝わったそうです!!

なんと、鹿児島の種子島が日本で一番にパンを知ったのですね。

このエピソードを知って、鹿児島人として、とてもうれしくなりました♪

 

「パン」という言葉の由来は、

ポルトガル語のpão(パン)をそのまま受け継いでいるそうです。

そしてその語源はラテン語のpanis(パニス)。

panis(パニス)とは、食べ物のこと。

 

ちなみに、

スペイン語では、「pan」(パン)

フランス語では、「pain」(パン)

イタリア語では、「pane」(パーネ)

です。

 

 

英語では、bread(ブレッド)といいますが、

この語源は、ゲルマン語の「brauen](ヴラウエン)、醸造という意味です。

ちなみに、

ドイツ語では、「brot」(ブロート)

オランダ語では、「broot](ブロート)

です。

 

 

参考文献 日本パンコーディネート協会パンの基礎コース教科書